福井の小さな山歩記
カミさんと牛岳 (富山県)
久しぶりの山歩きで、シニア向きと思われる「ふるさと歩道」と名付けられた道を歩く「牛岳(987.1m)」に
登った。軽く歩けるつもりだったが、なかなか緊張を強いられたコースだった。
ガイドブック通りに牛岳林道を車で上がり、登山口の看板を見つけて 9時に登り始める。我々の車は3台目
で、一人の方が先に登っていかれた。途中コシアブラが所々にあって、この辺りはこれからと云う感じだ。カミ
さんはめぼしいものを摘み始める。私としてはゆっくり登れて丁度いいのだが、それでもたちまち汗びっしょり
となる。それでTシャツ一枚で歩き通すことになった。しゃがんで立ち上がると立ちくらみがして、体調はいま
いちというところだ。
こういう雪の斜面を横切るところばかり 急斜面は怖い
6合目という処に鉄のベンチがる。そこからは山腹を巻いて緩い登りとあるので、やれやれもう楽かなと思っ
たら、そこからは雪の急な斜面をやたら横切ることになった。雪は固くなっていて、アイゼンがあれば歩き易
いのだが、普通の登山靴では緊張する。 これなら尾根へ直登するコースを登れば良かったかなと思った。
そのうち道筋が判らなくなり、もうここまで来れば尾根に出るしかない。尾根上は薮と雪面が半々くらいで、雪
面を拾って歩きだしたら、すぐに三角点の頂上に到達した。 ガイドブックには登り1時間50分程とあるのだが
我々は3時間も掛かっている。
牛岳山頂 二等三角点
立山連峰を初めとして周囲の眺望は素晴らしい。 少し煙ってはいたが砺波平野の特徴のある散居村の風景
も見下ろせた。記念写真を撮って、さて昼食にしようとカミさんがコンビニで買ってきた「ざるうどん」をひろげて
いたら、うどんがゴロンと土の上に落ちてしまい、ごみだらけで食べられそうにない。そこへ鈴の音がして栃木
から来たというご夫婦が到着したので、慌てて片づけたのだ。今日はビールも忘れたし、何とも貧しい昼食に
なってしまった。
すぐに私より年上と思われる爺さんが到着、聞くと自動車は5台目だったとのこと。火曜日だと云うのに登る人
が多いなと思う。皆さん雪が沢山残っているのに驚いている。栃木のほうは、雪など全く無いとの事、旦那さん
はロープまで持っていた。 アイゼンも持ってきたが、先行者の足跡があったので使わなかったとか。 我々の
足跡だろうか。
40分ほど過ごしてから、ご夫婦に続いて我々も牛嶽大明神を通って二本杉に向かう。途中のブナ林には雪が
無く、若葉が陽射しに輝いて素敵な雰囲気の処だ。そこからは深く掘れた道で、雪があるため膝には楽だった。
快適なブナ林の道
二本杉の休憩所までは立派な舗装道路が来ていた。 そこで休んでいたら、先程のご夫婦が、三段滝へ降りる
道が判らないと戻ってきたのだ。 しかしながら、そこを通らないとべらぼうに遠回りになるので、行くしかないと
言って降りて行った。少し間をおいて我々も三段滝へ向かう。
しかし、杉林の中は雪と倒木などで、初めから道は判らず、急な斜面を下る感じになったので、「ふるさと歩道」
と言う位だから判りやすい道があるはずだと少し登り返し、迷った時のGPSで、地図上で現在地を確認して間も
なく、雪の無くなったところで明瞭なふるさと歩道に出た。ほんの200m程が判りにくかっただけなのだが。
そこで喜んだ途端に滑って尻餅をつき、ズボンやザック、腕などが泥だらけになってしまった。更に進むと道は
崖崩れで崩壊していて、なかなかの「ふるさと歩道」なのだった。
三段の滝 遠くから写さないとピンとこない写真だ
ぐっと下って三段滝へ、近くで見るとどうと云うことはない様に思う。雪解けで水量は多かったが。そこからすぐ
に広域林道のトンネル口へ出る。林道を歩いて30分、登山口に到着。15時30分だった。ちょうど登山口から
地元の人だと思われる方が降りて来られた。12時を過ぎてから往復して、誰にも会わなかったという。
我々より先に降りられた栃木のご夫婦は、林道を横切って滝が沢山見られるというコースへ向かったのか、まだ
宇都宮ナンバーの車が停まっていた。それがちょっと気にかかったまま帰路についた。
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。 (承認番号 平17総使、第657号) 」
カシミール3Dにより作成。上図の経緯度線は日本測地系で表示されています。
2万5千分の1地図「山田温泉」、ポイント003と004の間の上向きの線と三段の滝の処の上下の
直線は余計な線です。消そうとしたら正常な部分も消えてしまうので、そのままにしてあります。
002は6合目鉄のベンチがある、重なって見えにくいが赤字牛岳が三角点、006ブナの林
(’06年5月9日)
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写真上:牛嶽大明神 写真下:山頂にて