還暦つれづれ草


コロ柿の季節

コロ柿は、能登は志賀町特産の干し柿の名前だ。全国各地には土地土地でいろいろな干し柿があるが
志賀町のコロ柿は、その中でも上品な味と形を持っていると思う。毎年12月に入ると出荷が始まるので
私達は隠れ家に来てはコロ柿を買って帰る。 子供達に送ったり、いつもお世話になっている方々へ少し
ずつだが差し上げたりする。

このところずっと天気が不順で山歩きも諦め、9日には一度しかない忘年会へ出席して若い人達ばかり
なので元気を少し貰ってきた。 そして10日土曜日は能登へ、晩飯はいつもの小料理屋へ食べに行った
ら、コロ柿を求めに能登へやってきたことを知っていて、立派なコロ柿を一箱頂いてしまった。そこへ行く前
に買った物よりずっと美味しい物だった。 それで、人に贈るものは考えて買わねばと思ったのである。



11日(日)は一日中雪模様だった。 たいして積もらなかったが、風もあり気温も低くて、外で薫製を作る
のはやめにして、コロ柿の買い物に出た以外は薪ストーブの前でゆらゆらと燃える炎を見ながらごろごろ
していた。温泉に浸かったしテレビも沢山見た。ガラス越しに見える外の景色はだんだんと白さを増してき
ていた。12日(月)には、朝、福井へ向かって走り、10時半頃までには家に着かねばならないので、雪の
降りぐあいを少し気にしながら寝たのである。

朝6時半に目を覚まして外を見たら雪が沢山積もっている。「おおーっ」と叫んでしまう。早速今シーズン
初めての雪かきをする。私の小さな車を道路へ出られる様に、スコップを奮うのだが、やたらスコップに雪
が付いてはかどらない。それでも道路へ出られるようにして、あとは道路を車が走って跡を付けてくれたら
大丈夫、このガラガラの雑木林の分譲地から出られるだろう。



待つこと20分位でごつい4輪駆動の車が通って行ったので、すぐに荷物を積み込んで出発した。いつも
雪で困るのは、ほんの400メートル程なのだ。それでガラガラの雑木林の分譲地から出て一般道に出ら
れる。ちょっと小高くなっているだけで、だいぶ積もる雪の量が違う。能登有料道路沿いの木々は白く雪が
積もっていたが、金沢に近づくとほとんど雪は無くて、北陸高速道路には全く無い。普通に走れて余裕が出
たので尼御前のサービスエリアで休憩して、コロ柿でお茶を飲んだ。さっきのあの隠れ家の雪は何なんだ
と思うのだ。

(’05年12月12日)


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