福井の小さな山歩記


庄部谷山

庄部谷山(856.1m)は平成16年5月発行の新版の2万5千分の1地図「三方」で、美浜町新庄の
嶺南変電所から右へ見て行くと、端近くに三角点がある。これが庄部谷山だ。残雪期に登られていた
と思うが、近年本で紹介されたので、通年で登られる方が増えたのではないかと思われる。

渓流の里のある松屋を過ぎて粟柄谷の方へ進むと、間もなく右側に粟柄関所跡の石碑がある。ここ
から左の林道へ入る。ヘヤピンカーブの処へ車を置く。 すぐ上に川沿いに行ける道があるので、ここ
を入る。ところがすぐに行き止まりという感じになる。
今日は、本に書かれていたように、沢沿いに歩いて送電線の巡視路から尾根に取り付こうと考えてい
たのだが、思っていたのとだいぶ様子が違う。沢沿いに進むのがなかなかやっかいなのだ。ヘヤピン
カーブからもう少し上に左に入る道があり、そこを入るべきだったのだろう。
そんなことも知らず、すぐに沢を渉り、少し高い所を進むのだが、だんだん高度を上げ、これなら送電線
の巡視路まで行かないで尾根に取り付いた方がいいと判断する。なかなか急な所で、ほとんど四つん
這いといった状態が続いた。


尾根の上は、すっきりとしたブナの疎林もあったし、この様な所も続いていた

尾根に載ると、これが尾根は広く下草が無くまったく歩きやすい。何処でも歩けるので明瞭な踏み跡
もない。獣道がはっきりと付いている所が多く、お尻の白い鹿を4回も目にした。とても快適に歩ける。
もう散歩道と云う感じだ。これなら雪の時期もずっと先が見通せて、素敵な雪上散歩が体験出来そう
だ。


山頂には標識もリボンも無く ただ三角点があるだけ

歩き出して3時間20分も掛かって山頂に着いたが、今日はずーっと曇天で風が強く、パラパラと降り
だしそうだ。夏の装備なので山頂でじっとしていると寒くて食事どころではない。鼻水が垂れるのだ。
それで先へ進んで風の無い処で食事をすることにした。 隣の850mほどのピークで風を避けて食事
とした。
その次ぎのピークで方向を間違えて少しウロウロした。広いところで薄い踏み跡の様なものにぼけっ
として従ったためだ。後で、ここを行くと野坂岳・芦谷山・三国山を結ぶ稜線へ出ることが判った。
今日の正しい進行方向には赤いリボンがあった。 今日目にする二つ目の赤いリボンだ。 そこからは
雑草あり灌木ありだが、少しの間明瞭な踏み跡があった。それも795mのピーク手前からあやふや
になり、後は尾根を外さないないよう雑草を分けて進む。時々サンキライなどの蔓にブロックされる。
だいぶ歩いたので林道が下に見えないかなと、端に寄って谷を覗いたりしたが深い谷が見えるだけ。

まだ先かと尾根に戻ると、送電線の鉄塔が目の前ではないか、林道は近い。2本の鉄塔の間の道は
今歩いてきた雑草の道とは天と地の違いがある良い道だった。2本目の鉄塔からは思いがけず階段
ですぐに林道に降り立つことが出来た。万歳と叫びたくなるような気持だった。


素敵な紅葉の中の林道歩き

林道は紅葉に包まれていて、今日の疲れが癒される感じだった。こういう処が近くにあって散歩が出
来るといいなと思う。しかし、林道はくねくねと長い。1時間近く歩いていると腰が痛くなってきたのだ。
今日は歩くのに一生懸命で、良い写真を撮ることが出来なかったが、満足できた一日だった。

('05年11月16日)



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追加 (’06年3月20日)

 「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)
及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。  (承認番号 平17総使、第657号) 」

カシミール3Dにより作成。上図の経緯度線は日本測地系で表示されています。

002地点下の軌跡の出っ張りは余計なものです。