福井の小さな山歩記


姥ケ岳

姥ケ岳(1453.6m)は、'99年の10月末に歩いている。 1人でガイドブックを見ながら県内の山を
片っ端から歩いていたので、カミさんは近くの山を知らないのだ。最近はカミさんと一緒に歩くことが多
くなってきた。私は、あまり同じ山を何回も登ることはしないのだが、これからは一度登った山へカミさ
んを連れて案内することが多くなりそうだ。「カミさんご案内シリース」とでもしようか。

国道157号線から巣原橋を渡り進むと、やがて平家橋に至る。ここからはデコボコの未舗装道路で
かなりひどい道で、距離もある。今日は木曜日なので、先客は無く一番乗りだった。平家平というだけ
あって緩やかな登りで、モミジが沢山あって地面はオウレンにおおわれている。

ずっと一本道が延びていて、今日は誰も来そうにないのでゆっくりのんびりと歩けて気持良い。やがて
ブナの林が現れる。ブナの木は葉っぱをすべて落として冬支度完了といった感じだ。林道を何回か横
切ると素敵なブナ林のピークに着く。みなさんがよく宴会をするところだ。これから登る姥ケ岳が望める。


皆さんがよく宴会をするところ

カミさんは孫に見せるのだとブナの実を拾っている。今年はいくらでもあるようだ。この場所はほんとに
雰囲気がいいところだ。1時間程歩くだけで来られるのもいい。一度宴会だけで来たいものだ。

そこから水芭蕉の群生地まで下ると、後は姥ケ岳までの緩く歩きやすい真っ直ぐな登りが待っている。
やがて平坦な道となって1447mのピークを過ぎたことが判る。姥ケ岳と標高差が6〜7mしかないの
で横に移動するだけなのだが、灌木で見晴らしが利かないのが残念だ。 その分ひょっこりと山頂広場
に出て、雪を被った白山を見たときは皆さん歓声を上げたくなるのだろう。歩き出して2時間程で山頂。


 後ろの白い山は白山  元気でいますので

御嶽山も薄く見え、さらにぼんやりと北アルプスの山並みが望まれる。カミさんは雪の白山が見られる
処が好きらしい。先週の土曜日も谷峠のトンネルを抜けて、西山へドライブして雪の白山を眺めて来た
のだ。今日もうどんを食べたりコーヒーを飲んだりして、1時間以上も山頂で過ごした。

今日は誰も登って来ないと思って下っていたら、二人連れの女性が登って来た。なんと1人はカミさんの
高校の同級生で、私も知っている方だったのだ。別れてからも上の方から賑やかな声が聞こえてきた。

折角だからと大野市の天然記念物の「平家平のトチノキ」を見ることにする。しかし、前回来たときは登
山道が林道を横切る所に案内の標識があったが、今日みるところ、そういったものは全く無いので林道
を間違えた。すぐに気づいたが、そう言えば今日目についたのは「姥ケ岳」の板が2・3カ所だけだった。

車で巣原橋へ向かって下っていると、軟らかい黄葉のほんわかとした明るさが安らぎを感じさせてくれ
る。見事な紅葉とは言えないが、私はこの控えめな色づきが好きだ。
157号線を雲川沿いに大野市に向かって走ると、西陽に照らされた山々の紅葉が美しい。華やかさは
少ないかも知れないが、それでも樹々は頑張って紅葉しているような気がするのだ。

('05年11月10日)

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平家平にて



平家平のトチノキ