福井の小さな山歩記


高賀山・瓢ケ岳

今まで美濃地方の山々は馴染みが薄かったので、これからはこちらの方にも足を伸ばそうと思って
まずは高賀山(1224.2m)・瓢ケ岳(1162.6m)に登ることにした。カミさんと二人で、高賀山に
登って板取川温泉に浸かり、その辺に沢山あるオートキャンプ場でテントを張り、翌日瓢ケ岳に登る
計画だ。

高賀山
国道156から256を走って高賀の森の登山口まで3時間、国道256号線は、630mの峠を越える
なかなかの道だ。初めての道は時間が掛かり、登り始めたのが10時半を過ぎてしまった。駐車場
には6台の先着がいた。「鬼退治伝説と山岳信仰を今に伝える歴史の山」なのだそうだ。円空も修行
したと言われる修験の山だ。


不動岩屋 尼が泊まり下着を岩に掛けたら二つに割れたという伝説があるとか

修験の山には岩屋が付き物のようで、途中、何人も入れるような不動岩屋がある。歩く道も岩を積ん
だ階段が多く、道から外れた方が脚に優しく歩ける様に思われる。 ヒノキの林あり、雑木林ありの
斜面を登って行くと御坂峠に着く。ここは1075m程だが、目の前に林道が通っていて、あれれと云う
感じだ。白山や御嶽山が望める。 ここで6人のシニアのパーティが休んでいた。そこからは広い尾根
道を20分程で山頂に到着。2時間までは掛からないようだ。 山頂近くで二組の夫婦が降りて来た。


一等三角点だった

頂上は狭く、見晴らしもなく、先へ行く道は通れないみたいだ。そこでうどんを煮て食べる。ビールは
1本を半分づつ飲む。 6人のシニアのパーティは食事の後、一口大福みたいなお菓子で抹茶を飲ん
でいる。ちゃんとした抹茶茶碗にお菓子を載せるお皿まで揃っていて、携帯用の抹茶セットというもの
があるらしい。

戻りは御坂峠を通り越して峰稚児神社へ登る。 峠から10分程だ。 毎年4月29日が峰稚児神社の
祭礼の日で、登山大会や神楽の奉納などがあり、登山者と参拝客で賑わうという。写真を撮って戻る
が、道は尾根上を辿って瓢ケ岳の方へ行けるらしい。


峰稚児神社 高賀神社奧の院で雨乞いの神様

午後3時頃に先の6人のパーティと前後して登山口に降りたが、その人達の話から別に6人のパー
ティが登っていたという。我々が峠から山頂にむかった後に、峰稚児神社から下山したのだろうか。
そうすると今日の登山者は18人ということになる。

それから板取川温泉へ車を飛ばした。途中キャンプ場を見ながら行ったのだが、全て締まっていて
あげくの果てが、板取川温泉は水曜日は定休日だったのである。それで、キャンプもやめにし、明日
の瓢ケ岳の登山口へ向かうのに都合の良い処まで走って旅館に泊まることにしたのだ。

('05年11月2日)


瓢ケ岳
静岡から来たという同宿の6人は、高賀山で会わなかった6人のパーティらしく、朝6時に食事をして
出発したらしい。 我々は7時から食事をしてゆっくりと出発だ。片知渓谷へは、県道81号線の自由の
女神のところを曲がる。 広い片知渓谷公園駐車場から歩き出したのは8時40分くらいになった。大き
なあづまやもあり良いところだ。

7〜8人程の人達がトイレや周辺の清掃・整備をされていて、お話によると下の集落の人達で、5斑に
分かれて月1回の当番制で奉仕されているとのこと。そう言えば途中にもゴミ一つな無かった様な気
がする。6日(日)にはここでイベントが行われるので来て下さいということだった。

今日は朝から雨模様で残念だが、文化の日なので沢山の人が訪れるのだろう。静岡ナンバーの車も
停まっていて、同宿の6人と思われる。この山は高賀山よりも更に岩だらけで、尾根に出る前の半分程
は石岩の上を歩く。周囲を見渡しても巨岩が多く、苔むした岩が庭の様に感じられる処もある。

 
   登りは岩の歩きにくい道                              尾根に出ると とても歩きやすい道

岩の道が終わる辺りで、二人の若い女性と山馴れしたおじさんとの3人連れが降りてきた。まだ10時
前だ。10時過ぎに骨ケ平という尾根上に出る。紅葉が綺麗なのだが、ここで合羽を着ることになる。
ここから山頂までは30分くらいなのだが、一部雨で滑りやすくなっていたが、ほとんどは低い段差の
階段状で、木屑を固めて板状にした様なものが敷かれていろ処が多く、極めて歩きやすい。


雨の瓢ケ岳山頂

3人が並んで歩けるような道幅で、遊歩道感覚なのだ。そういう坂を上りきると、右へ1分で瓢ケ岳、
左 奧瓢ケ岳との案内がある。そこで雨の山頂で写真を撮って、奧瓢ケ岳とやらへ向かう。最近造られ
た道の様で、あるきやすい。単独の男の方とすれ違う。 ところが、もう先は下りみたいな処まで来ても
奧瓢ケ岳という標識が出てこない。地図を見ると1155mのピークのことだと思われたので、注意しな
がら戻ると、もう古くて朽ちて倒れた標柱が細い木に寄りかかっていた。やっと「西岳」という字が読み
とれる。 骨ケ平から反対方向に行くと南岳というのがあるので、ここ西岳が奧瓢ケ岳だと思われる。
その標柱には、昭和47年、美並村登山クラブとあった。


何処も遊歩道という感じの尾根道

引き返した処の標識には、高賀山まで3000m、奧宮林道まで2350m、瓢ケ岳まで800mと
あった。下山口に車を用意出来れば、高賀山から瓢ケ岳を経て片知山まで、尾根上を縦走出来る
みたいだ。 この時期、良い天気だったら最高だと思われた。骨ケ平へ戻り、300m先の展望台へ
向かったが雨が強くなったので引き返して下山した。

*** 奧瓢の場所について 下記のご指摘がありました ***
2005年11月3日の瓢ケ岳の”奧瓢”の件ですが、奧瓢は瓢ケ岳山頂から
6分ぐらいのところの地図が1枚あったところです。11月3日にはその地図
しかありませんでした。
今日(11月13日)、瓢ケ岳に行ってきましたが、その地点に新たにもう1枚
そこが奧瓢ですという略図が掲示してありました。
「西岳(標高1155m)」の地点と思われるところが”奧瓢”となっているガイド
ブックもありますが、それは間違いだと思います。
瓢ケ岳山頂と奧瓢で”瓢(瓢箪)”という字が使われたと聞いたことがありま
す。昔は福部ケ岳とも言われていたと言います。

1時過ぎに片知渓谷公園駐車場に着き、バーベキューの匂いが漂うあづまやで、蕎麦を煮て食べたり
コーヒーを飲んだりとゆっくりと過ごした。ここには次々と紅葉と渓谷美を見に来る人がやって来たが、
今日は一日中雨模様で陽が射すことはなく残念だった。 我々も周辺の神社や渓谷を覗く余裕もなく
3時間の帰路についた。

('05年11月3日)

この二つの山は、シニアの方々が無理せずに登れ、尾根上の道は修験者じゃなくても走り抜ける人が
いるのではないかと思われる程の良い道だった。まさにシニア向きの山だと思う。

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