還暦つれづれ草


泰澄ゆかりの粟津温泉から岳山散策

今日は快晴といった様子で、何処か山を歩きたい感じなのだが、このところ株価が上昇しているので、朝
の内はちょっとパソコンを覗いている。少しは家計の足しになるような状況なのだ。それに夕方からカミさん
は用事があるので、何処か近場の散策ということになった。どうせなら泰澄ゆかりの処がいい。

粟津温泉は、養老二年(718年)に泰澄大師によって温泉が発見されたことにより始まったと伝えられて
いて、以来1300年の歴史を持つ北陸最古の温泉だという。また、高台にある大王寺は温泉守護のため
に泰澄により創建され、最初は泰應寺と号し、後に薬王寺と号したが兵火に罹り、延享二年(1745?)
僧來順により再興された。その後大王寺と改号されたという。
大王寺の隣に白山神社があり、寺との間に泰澄大師の座像がある。白山神社は平安時代の頃から白山
信仰の主要神社であって、その主祭神は白山妙理大権現で、本地仏は十一面観音である。ここの「銅造
十一面観音懸仏」は、小松市指定文化財となっている。


左の道を登って行く 木陰の処に池や芝生広場、あづまや、幸せの鐘、おっしょべ滝などがある

粟津温泉の総湯の奧に旅館「のとや」があり、左に見える階段を上がると大王寺で、そこからも岳山へ行
けるし、右へ進むとすぐに「おっしょべ公園」となる。池やトイレもありゆっくり出来るところだ。我々もそこの
あづまやで、コンビニのおにぎり等で軽い食事をして公園の左の道を登った。右側の道は林道のようだ。

 
               泰澄大師立像                         おっしょべの由来 滝は水が涸れていた

「祈りの小径」と云われているだけあって、石仏が沢山立ち並んでいる。西国三十三カ所観世音巡拝道と
あり、33の石仏があるらしい。老夫婦が先に歩いていて、時折話声が聞こえてくる。舗装された道は、展
望のいい、泰澄大師立像が在るところまでだが、そのあとも広く平坦な道が続く。 やがて緩い登りとなり
最後は急な階段を登りきると粟津岳山(159m)の頂上に到着する。ゆっくり歩いておよそ35分くらいだ。
日本海も望め休憩するのに良いところだ。


粟津岳山の山頂から日本海をのぞむ 左の白いものは小松ドーム カバーが掛けられているものは双眼鏡らしい

途中いくつもの枝道があり、いろいろと散歩コースを変えることも出来そうで、きっと多くの地元の方々が
散策されているのだろう。茸も採れそうな気配がする。頂上から大堤周りで戻ったが、この道は急で滑り
易い。白山神社、大王寺と廻って「おっしょべ公園」に戻った。


大王寺の入り口 さらに白山神社の階段を登って「祈りの小径」へ

泰澄大師立像から坂を下っていたら、仙人みたいなヒゲを生やしたお爺さんが杖をついて登ってきた。挨拶
をしたら、「上まで行ってきなさった?今日は暑いのお」とにこやかに返事が返ってきた。服装がまた仙人ら
しい雰囲気なのだ。こういうふうに歳をとれたらいいなと思えてくる。
 仙人で想い出すのは、若い頃東京から金沢に転勤になり卯辰山の中腹に間借りをした。すべて外食だった。
会社では仙人と呼ばれたりした。 霞を喰って生きているのではないかと云う訳だ。それほどひょろひょろとし
ていたのかもしれない。遠い昔のことだ。
粟津温泉に泊まってゆっくりと温泉に浸かり、美味しい料理で美味しいお酒を飲んでみたい気がしてきた。


道沿いにはこの様に石仏があちこちにあって、630m程歩くと西国三十三カ所巡拝が出来るという有り難い道なのだ

('05年10月13日)

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